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[モノめぐり・モノがたり] 札幌軟石から生まれた雑貨たち:軟石や

読みもの

あそぶ

更新日:2016.11.11

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札幌、北海道で見つけたプロダクトをご紹介。
ひとつのモノが生み出される背景には、きっとそのモノだけが持つストーリーがあるはず。
訪ねたのは市内南区石山にある「軟石や」。札幌軟石を素材に雑貨を手づくりしています。

 

■北海道の開拓期に欠かせなかった札幌軟石

 

札幌軟石を使った雑貨を制作・販売している「軟石や」。軟石造りの民家が、工房兼店舗になっています。「この建物は築64年が経ちます」と代表の小原恵さん。一歩踏み入れると、風合いに温かみを感じる軟石の雑貨がいろいろ。お話を聞く前に、釘付けになってしまいました。

 

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今からおよそ4万年前。支笏湖が形成された、火山の噴火によってもたらされた札幌軟石。正式には溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)といって、噴火の際、札幌の南区にまで流れ出た火砕流が冷え固まってできたものだそうです。

 

「きめが細かく、やわらかく、加工しやすいのが札幌軟石の特徴です。石山でその石が発見されると、本州から石工さんたちが渡って来て採掘が始まりました。多くの石工さんが定着して、この石山のまちができたんですね」と、小原さんは教えてくれました。

 

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▲「軟石や」では現在、小原さんを含め3人で商品の制作にあたっています

 

石山地区で本格的に切り出しが始まったのは明治初期のこと。耐火性や保温性に優れた札幌軟石は、公共施設、蔵や倉庫、民家などに多用されました。「今のテレビ塔の辺りには石の建物がたくさんあって、ヨーロッパのような街並みだったようです」と小原さん。

 

昭和25年に建築基準法が制定され、コンクリートの建物が増えていくと、軟石の需要は減少していきます。ですが、役目を終えたわけではありません。石は現在も切り出され、建材として壁のデザインや庭づくりに使われたり、オブジェなど作品の素材として活用されています。また、市内あちこちに点在する蔵や倉庫は、その多くが飲食店などとして再利用されています。

 

 

■軟石の端材を活用。アロマストーン「かおるいえ」

 

現在、札幌軟石を採掘し、加工しているのは辻石材工業(南区石山)一社のみ。軟石やを立ち上げる以前、同社に勤めていたという小原さん。その際、採掘場から石が切り出されたあとに残る端材を目に思い立ちます。「何かに使えないかな?」。職人さんにアドバイスをもらいながら、2012年に雑貨をつくり始めたそうです。

 

そうして誕生したのが「かおるいえ」。液体を吸収しやすく、揮発しやすい札幌軟石の特性を生かしたアロマストーンです。「札幌軟石が、家をつくるために使われてきたことを知ってもらえたら」。家のかたちにしたのには、そんな思いがありました。

 

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▲「軟石や」を代表する商品「かおるいえ」。屋根の色は札幌の景観色です

 

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▲アロマオイルを2・3滴、数日間ふんわり香ります。絵付けは一つひとつミルクペイントで

 

「はじめは勤めていた会社のPR用にとマグネットをつくっていたんですが、加工をするのが楽しくなっていったんです(笑)。小さいものなら、手軽に手にしてもらえるのかなと」。若い人たちにも札幌軟石のことを知ってほしい、広く魅力を伝えていきたい。軟石で雑貨をつくる小原さんの取り組みは、障がい者の就労支援にもつながりました。

 

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▲愛らしい佇まい。眺めているだけで、ほっこり

 

「かおるいえ」シリーズは、煙突のある家、小鳥の住む家、石蔵、教会など、そのデザインも魅力。揃えてみたくなります。ほかにも石の鉢、近隣の大学、フラワーショップとのコラボによる、鍋敷きやフェイクグリーンのアレンジなどもありました。また、オーダーによる、表札や看板の制作も手がけているそうです。

 

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▲軟石と木の鍋敷き

 

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▲軟石とフェイクグリーンのオブジェ

 

 

■札幌軟石を伝えていくことで、石山のまちを元気に

 

イベントに出店したり、ワークショップを開いたり、小学校で軟石を伝える授業をしたりと、活動の幅は広がっています。

「子供たちに端材を渡して、『手で割れると思う人!』って質問すると誰も手を挙げないんです。実際にやってもらうと簡単に割れるので、その瞬間の子供たちの顔を見るのも楽しくて(笑)。石は硬いものと思っているので、新鮮なんでしょうね。そこから夢中になってくれます」。

 

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▲人とつながりながら、札幌軟石の魅力を広く伝える活動に取り組む小原さん

 

そもそもなぜ、小原さんは軟石に惹かれているのでしょうか。

「軟石が好きという方々から話を聞くと、幼少期の思い出の中に軟石があるという方が多いんです。私もそう。父方の実家が小樽で、行くと軟石でできた建物をたくさん見かけました。楽しい思い出と軟石がくっついているんですよね」。

 

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また、思い描いていることを、こう話してくれました。

「小さい力ながらも軟石をPRして、知ってもらって、いろいろな用途で使ってみたいという人が増えたらいいなと思っています。軟石をきっかけに、石山にたくさんの人に遊びに来てほしいですね。石山には面白い店がいろいろあるので、そこがつながってまちを回ってもらえるようになったら」。

 

歴史と思いがつまった札幌軟石の雑貨たち。ぜひ手にとって、魅力を感じてください。

 

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【かおるいえ プレゼント】

抽選で1名様に「かおるいえ」をプレゼントします。ご希望の方は以下応募フォームよりアンケートにお答えの上、お申し込みください。

 

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応募フォームはこちら

※2016年11月30日締め切り

 


 

 

■札幌軟石工房 軟石や

 

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札幌市南区石山1条2丁目9-22

090-9425-0573

営業時間:10:00〜18:00

定休日:水曜日 (そのほかイベント、大雪時などに休む場合あり)

・ホームページ

http://212a-a.jimdo.com/

・facebookページ

https://www.facebook.com/nansekiya/